ときに人は雷に打たれると言う。 脳天から入った電気は、足へと伝わりそのまま大地へ抜けていく。致死率は30%とも言われるこの現象は、生きるも死ぬも、当たるも当たらぬもそれこそ天任せだ。 その落雷が、今日俺の体を貫いた。 100万分の1の確率。いや。こ…
本には賞味期限がある。よほど劣悪な環境でなければ、買われた本は綺麗に積もられたまま、しずかに読まれる時を待っているように思われるかもしれない。 迎えられたばかりの本は、瑞々しくて、ほのかに甘い香りを放っている。けれど開かれず置かれていると、…
人との繋がりと変化。蘇生しゆく意識。怠慢は流れのままに。 飛び出していく思い出と仲間。家族と放射状の流れ星。仰げばいずれ色褪せていく。 友はいつもその側に。普段とその都合に沿っていく楽しみと景色、それを遊ぶのもまた面白いこと。 果実は朽ちて仲…
事故だ。 車内に収まっていたはずの僕の体は、夜道の硬いアスファルトの上に横たわっていた。 助けを呼ぼうとか、起き上がらなければとか、そういうことを考える余裕もないくらい、体の様子が"わからなかった"。あるいは無意識に知っていたのかもしれない。 …
君は愛の姿を知っているか? 誰もが知っているようでいて、その本当の姿を知っているのはほんの一握りなんだ。 僕らは人に愛の姿を教えるためにやってきた。 君は、愛とはどんな姿をしていると思う? それは、どんな触り心地だろうか? それは、どんな香りだ…
鏡を無くしてから、君は自分の姿を忘れてしまったようだね。 ……おや、無くしたことに気付いていなかったのかな。もう何年も、自分の顔を見ていないだろう。その感じだと、最後に顔を見た日ももう覚えていないのではないかな。 君は今、どんな表情をしている…
先週の食中毒事件を経てから家に籠もりがちになっているけれども、その原因にポケモンサン・ムーンの発売も関わっていることは間違いない。 ここ最近のポケモンでは今回が一番"ポケモン"をエンジョイしているような気がする。手持ちは全て新ポケモンで固めた…
今日は人生最後の日だ。準備ができていたと言ったらそれは嘘になるだろう。何故なら今日がその日であることを知ったのは、朝起きたその瞬間だったからだ。 ああ、そうか。今日が最後なんだな。 そうして僕はベッドから抜け出した。なんの変わりもない朝だっ…
暮らしていれば変わる毎日、何をせずとも進んでいくような気がしていた。止まっていることに気付いたのはつい最近のこと。当たり前のように刻み行く体温、心臓の鼓動、それだけを頼りとして私のあれやこれやは回っていた。 どうしてここにいるのだろう。何故…
揺られている。川のように流れる音は、同じようで刻々と変わっていく。流れて止まり、止まってはまた流れる。その繰り返しの音を延々と聴いている。 たまに目の前を足音が通る。足音は外へ発っていき、そうしてまた新しく入ってくる。2つ、3つ、増える。 定…
もし わたしの腕が切り落ちて ものが書けなくなろうとも それがあなたのためならば 受け入れることができるのか もし わたしの口が塞がって ものを言えなくなろうとも それが誰かのためならば 請け負うことができるのか もし わたしの命がかけられて 先を望…
一年に一度、現世に夢を見られる日。 それが今日、ハロウィン。 私はずっとお墓にいるの。 ずっと、ずっと、雨の日も雪の日も。 お外に出られるのはハロウィンのたった一日だけ。 ぼろぼろに腐った服でもいいの。大好きだったお洋服をまとって生者の世界を歩…
切ってしまった肌の隙間から、涙がぽろぽろと流れ出る。 いつぶりだろうか。こんなに寂しくなったのは。前に泣いたのはいつだったろう。よく覚えていない。あのときは泣こうと思って泣いたはずだったけど、今日は違った。まるで溜めていたいろいろを決壊させ…
似たような思考が幾度となく浮き上がる日々。 軸がぶれそうになる でも、そういう時でも心が道を指し示してくれるようになった。応えてくれるようになった。 幸せだ。 そうしてわたしはまた前を向いて歩いていくことができるのだ。 先の見えない道に、光はと…
遠い遠い時間の海と 微かな声もかき消す淡い波の音 霧がかかって遠くは見えず 耳を澄ませど届くのは揺らぎばかりで そこに声はあるのかないのか ここにある心の音は 彼方へと届くのだろうか 景色をじっと見つめる月日 今日もまた変わらないねと そう語る君の…
忘れた頃に時々見る夢があった。 気付くとそこは宇宙空間で、僕はあてもなく漂っている。呼吸をしているかどうかはよくわからなくて、でもそこはかとない心地よさの中に浸っていると、そんな細かいことはどうでもいいような気になる。誰もいないのに誰かがい…
光を見上げている。 いくつあるかもわからない、光のひとつひとつが 深く染まった夜空から線を描いて落ちていく。 光のひとつが大きく光り、こちらへ向かって降りてきた。 肩で光がこう言った。 「君といるのは青い炎」 光は青く燃え上がると、深紅の色合い…
飲むと美しくなれる魔法の薬がありました 綺麗なビンに入った魔法の液体 ”一週間に一度飲むことで あなたは少しずつ美しくなっていきます” そんな文句で売られていました ある時 美しい人間になりたかった彼女がそれを手にしたのです 「これで わたしは 美し…
twitterとは違う形でまとまった文章をどこかで書きたかったので、はてブに登録してみました。 一応ぼんやりと方向性は考えてあるんだけど、その通りになるかはわからない。 具体的なことを書くというより、左脳だけじゃ読めない感じの文章を書こうと思ってる…